永代供養について

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最近は「永代供養について」のご相談をお受けすることが増えてきました。

  • 「自分の亡き後、後を託すべき子どもが居りません。」
  • 「息子が居るのですが、すでに別の土地に家を建てており故郷へは帰ってきそうもありません。先々どうしたらいいでしょうか。」
  • 「すでに遠方に住んでおり、年忌には戻ってきて法事を勤めています。しかし、自分の年齢を考えるとあと何年続けることが出来るか不安です。親戚に任せっぱなしにする訳にもいかず、どうしたらいいでしょうか。」

このような、年忌などの仏事を続けていく上での問題であったり、墓地を守っていく上での問題であったり、そういう不安を持たれている方からご相談をお受けします。

そこで、ご相談をお受けした際には、いわゆる「永代供養について」安養寺では二つの対応があることをご説明して、どちらの対応が相談者の求められている「永代供養」なのか確認し、お話を進めさせていただいています。

このページをご覧になられている方にも同じような不安をお持ちの方も居られるかと思い、こちらのページにも記載させていただきます。ご参考になさって下さい。

※浄土真宗では本来「供養」という言葉はあまり使用しないのですが、一般の方に理解してもらいやすいということで、あえて使用して説明しております。

 

 

【 安養寺の対応 】

いわゆる「永代供養について」、安養寺では「永代読経」(仏事)と「永代供養墓」(墓地)の二つの対応を行っております。二つの対応には違いがありますので、永代供養をご依頼される場合はどちらの意味でのご依頼なのか違いを充分ご確認の上、住職までご相談ください。

 

「永代読経」(仏事)

  • 「遠方でもあり自分たちがお寺へお参りに行けないのですが、故人の命日がくるのでお寺の本堂で命日の読経をお勤めしておいてもらえますか。」
  • 「体調面に問題を抱えているので外出もままならず、お参りに行くことができません。そういう状態ですので先も分かりません。お布施をまとめてお預けしておきますので、初盆と一周忌はお寺でお勤めをお願いできますか。」

このようなご依頼をお受けすることがあります。
本来であれば故人の縁者によって年忌などの仏事を勤めていただきたいのですが、何らかの理由があり縁者が仏事を勤めることが難しい場合もあります。このようなケースでは、縁者のご依頼をお受けして安養寺が責任を持って仏事をお勤めさせていただいております。

これらのケースとは若干異なり、「自分たちが勤めることが出来ないので、目の前の仏事だけではなく、先々までにわたる仏事を安養寺にお願いしておきたい」というご依頼をお受けする事があります。
このような、縁者によって勤める事のできない故人の仏事を先々まで予め寺院に託されるご依頼を、「永代読経」として対応しております。
安養寺では、故人の法名を寺院備え付けの過去帳に記載し、365日、毎朝毎夕の二回、本堂にて読経いたしております。そして、年に一度、故人を偲びつつ『永代経法要』が執り行われております。
これらの仏事(読経)について、先々まで、それこそ永代にわたり執り行われるよう願われご依頼されるのが「永代読経」と考えていただければ良いかと思います。

但し、執り行われるのはあくまでも「読経」のみであり、故人のご遺骨を納めた墓地や納骨堂については、どなたかが引き続き祭祀し守っていかれる必要がある点にはご注意下さい。

なお、下記の永代供養墓へ納められた故人については、この永代読経が併せて勤められています。

初盆会の画像お参りの画像

 

「永代供養墓」(墓地)

先祖代々の墓地を守っていきたいが、先を考えた場合、難しいという方が居られます。

  • 「自分が存命のうちはいいが次の代には墓地を守ることが困難で、そこに納めてあるお骨がどうなってしまうのか、そしてどうしたらいいか不安を感じています。」
  • 「遠方に住んでおり、家も建て墓地もその地に求めました。そこで島原の墓地を片づけて両親のお骨は連れて行きたいと思っているのですが、先祖にとっては島原こそが故郷ですので、見知らぬ土地に連れていくことが果たしていいのか悩んでいます。先祖のお骨だけでも故郷の島原に残したいと思うのですが、何かよい方法はないでしょうか。」
  • 「自分は全く頼るべき親戚もおらず、また入る墓地もありません。せめて自分の亡き後、自分のお骨だけでも納めてもらえる場所があれば少しは安心できそうですが、受け入れてもらえますか。」

このような方々よりご依頼を受けて、各家庭の墓地に納められたご遺骨を改葬し、安養寺の管理する墓地に納め、その後は安養寺がお守りしていく墓地が、安養寺の管理する「永代供養墓」です。
それこそ、安養寺が続く限り永代にわたり宗教儀礼を行い(供養)お守りさせていただく墓地ですので「永代供養墓」といいます。
なお、永代供養墓に納められた故人については、寺院備え付けの過去帳に記載し、永代読経が勤められます。
また、永代供養墓への納骨に際しては「永代経懇志」をお納めいただきます。

(※墓地へ焼骨(火葬したご遺骨のこと)を納める事を正式な用語では「埋蔵」と表記しますが、ここでは分かりやすいように「納骨」と表記いたします。)

 

- 安養寺の永代供養墓の特徴 -

  • 墓地ですので、永代供養墓に納骨後も縁者の方は自由にお参りすることができます。ご希望があれば安養寺本堂にて年忌の仏事もお受けいたします。
  • ご遺骨の納め方としては、骨壺にて納めるか、最初から合祀(骨壺からご遺骨を出し他の方々のご遺骨と一緒に埋葬)するか選んでいただきます。なお、合祀したご遺骨は、納骨後に取り出すことが出来ませんのでご注意ください。
    骨壺にて納めたご遺骨は、相応の期間(現在の定めでは12年)の後に合祀となります。また、複数人のご遺骨を骨壺にまとめて納骨することが出来ます。
    合祀は1柱(はしら)単位での納骨となります。複数人のご遺骨をまとめることは出来ません。
  • 合祀は、従来は既に50回忌を過ぎた故人のご遺骨や、骨壺を入れ換えた際に骨壺に収まり切れなかった残骨、分骨していたご遺骨を片付ける際などに、そのご遺骨を土へと還す為にとる納骨方法でした。従って年忌の残っている故人については、骨壺にて納骨していただくことが望ましいです。
  • 納骨後は、浄土真宗の宗教儀礼に則って、安養寺が責任をもって祭祀いたします。
  • 利用できるのは、基本的には安養寺に縁のある門信徒の方に限ります。ただし、生前にご相談・ご依頼があり、葬儀を安養寺にて行われた方については基本的にお受けいたします。(※永代供養墓地は浄土真宗の宗教儀礼にてお勤めをいたしますので、そもそも他宗旨他宗派の方にとっては、浄土真宗の宗教儀礼を受ける事は希望ではないと考えられる為)
  • 他宗旨他宗派の方で、どうしても永代供養墓の利用をご希望の場合は、よくお話をお伺いしてから判断させていただきます。
  • これまでは、いわゆる永代供養料は定めておりませんでした。生活に余裕がある方もいれば、そうでない方も当然居られます。それぞれの状況が違うのに固定した額を定める事には抵抗がありましたので、そのように対応しておりました。
    しかしながら、近年、永代供養料をご遺骨の処分代と勘違いしていると見受けられる方が現れ、数千円程度を納めていかれるケースが出てきました。
    永代供養墓への納骨は、ご遺骨の処分ではなく、あくまでも永代供養を目的としています。また、安易なご遺骨の処分を奨励しているのでもありません。
    これらの点を考慮し、残念ではありますが令和元年より「永代供養墓へ骨壺にて納める場合は骨壺1個につき30万円以上、合祀する場合は1柱につき5万円以上」と永代経懇志について定めましたので、永代供養墓への納骨の際に「永代経懇志」としてお納めください。永代読経の勤修、そして永代供養墓の維持管理にも出費が必要となる為の判断です。
  • 永代供養墓へ骨壺にて納める場合、骨壺は7寸(直径22.0センチ前後)以下のサイズまでとなります。骨壺に収めきれない残骨については、合祀の手続きをしてください。また、納骨を考えている骨壺が複数ある時は、ご遺骨の再火葬を行い一つの骨壺にまとめて納骨することも出来ます。(手続き方法等については申込時にお尋ねください)
  • 永代供養墓へ合祀する場合は、ご遺骨を綿素材・無地の納骨袋にて納骨していただきます。(指定の納骨袋にご遺骨を収め直していただき、納骨袋にて永代供養墓へ合祀納骨をいたします)
  • 永代供養墓への納骨を希望されても、お話をお伺いしお断りさせていただく場合もありますのでご了承ください。
  • これらの事柄については、必要に応じて見直し・修正することがあります。

永代供養墓地02永代供養墓地の画像

 

以上、「永代供養について」充分とは言えませんが記載いたしました。
実際のところ、その方その方の状況で取るべき対応も違ってくるかと思いますので、不安を持っておられる方は、まずは住職までご相談ください。
なお、実際にお会いして話さなければ分からないものもあろうかと思いますので、申し訳ありませんが電話でのご相談はご遠慮ください。